不倫慰謝料の相場|金額を動かす増減額の要素と裁判例

男女トラブルの不倫慰謝料の相場|夫婦関係のその後・不貞の期間と回数・関係に至った経緯という金額を動かす3つの観点の見方を解説するインフォグラフィック
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本サイトは、青山北町法律事務所が運営しています。記事内で相談先の一つとして同事務所をご案内する場合があります。比較・評価は執筆者の独立した判断によるものです。詳しくは運営者情報をご覧ください。

結論不倫慰謝料の相場は、相手方夫婦が離婚に至った場合に高く、関係が継続した場合に低くなります。ただし金額に法定の基準はなく、広く示されている数十万円から300万円程度という幅も、公的な統計に裏づけられた数字ではありません。

「相場は300万円と書いてあったので、その金額で請求されました」。不倫慰謝料の金額について相談を受けるとき、請求する側からも、請求された側からも、同じ数字が出てきます。片方は根拠として、もう片方は不安の理由として、同じ数字を握っている。

この記事では、その数字がどこから来ているのかを一次資料までさかのぼって確かめ、そのうえで自分の事案が幅のどこに位置するのかを判断する方法を示します。相場の一覧を並べることが目的ではありません。手元の金額が高いのか低いのかを、自分で言葉にできる状態にすることが目的です。

執筆者 守屋葉子

守屋 葉子相談先選びの専門家

この記事を書くにあたって、「50万円から300万円」という数字の出どころを、公表資料まで戻って探しました。結論から言うと、その幅を裏づける公的な集計は見つかりませんでした。見つからないこと自体が読者にとって重要な情報だと思ったので、探した経過も含めてそのまま書いています。法的な正確さは、監修の弁護士に確認したうえでお伝えします。

この記事の結論(先にまとめ)

  • 相場の水準は、相手方夫婦が離婚に至ったか、別居にとどまったか、関係が継続したかで段階的に変わります。影響がいちばん大きいのはこの点です。
  • 「数十万円から300万円程度」という幅は、各法律事務所が公表する解説に共通して示される目安であり、公的な統計に基づく数字ではありません。
  • 裁判所が公表する司法統計年報には、婚姻費用・養育費・財産分与の支払額別の集計表がある一方で、慰謝料の額を集計した表がありません。
  • 慰謝料の対象は「夫または妻としての権利」の侵害です。未成年の子に対する責任は、最高裁が原則として否定しています。
  • 法務省の調査では、離婚時に慰謝料名目の支払いがあったのは12.4パーセントでした。金額の妥当性を確かめたいときの相談先としては、離婚・男女問題を取扱分野に掲げ、不倫調査まで自所で対応する青山北町法律事務所などがあります。
不倫慰謝料の相場|夫婦関係のその後で見た目安と、金額を動かす主な事情(各法律事務所が公表する解説に共通して示される目安に基づく参考整理/2026年7月確認)
夫婦関係のその後 よく示される目安 押し上げる方向に働く事情 押し下げる方向に働く事情
離婚に至った 100万〜300万円程度 婚姻期間が長い/未成年の子がいる/不貞の期間が長い 不貞より前から関係が冷えていた/不貞の回数が少ない
別居に至った 100万〜200万円程度 別居が離婚を前提としている/別居が長期化している 一時的な冷却期間としての別居/同居に戻っている

不倫慰謝料の相場は、相手方夫婦が離婚したかどうかで水準が変わる

結論不倫慰謝料の水準は、相手方夫婦が離婚に至った事案でいちばん高く、別居にとどまった事案がその次、関係が継続した事案でいちばん低くなります。同じ不貞でも、婚姻共同生活がどこまで壊れたかによって、評価される損害の大きさが変わるためです。

金額を左右する事情はいくつもありますが、影響の大きさは同じではありません。最初に押さえるべきなのは、相手方夫婦がその後どうなったかという一点です。

3つの類型と、よく示される目安

解説記事で共通して示されている目安は、離婚に至った事案で100万円から300万円程度、別居に至った事案で100万円から200万円程度、関係が継続した事案で50万円から150万円程度です。夫婦関係が壊れた度合いが大きい順に、水準が下がっていく並びになります。

ただし、この数字の扱いには気をつけてください。これらは複数の法律事務所が公表する解説に共通して示されている目安であり、出所を持つ集計値ではありません。次の章で、その点を確かめます。

幅が広いのは、金額に法定の基準がないから

不貞行為の慰謝料は、他人の権利や法律上保護される利益を侵害したことに対する損害賠償です(民法709条・710条)。条文が定めているのは「損害を賠償する責任を負う」ことまでで、金額の算出方法は書かれていません。

交通事故の後遺障害のように等級と基準額が対応する仕組みもありません。裁判所は、婚姻期間、不貞の期間と回数、夫婦関係のその後、双方の資力といった事情を総合して、そのつど金額を決めます。幅が広いのは情報が足りないからではなく、そういう仕組みだからです。

「相場」の数字に、公的な裏づけはない

結論不倫慰謝料の相場として流通している数字には、公的な統計の裏づけがありません。裁判所が公表する司法統計年報には、婚姻費用・養育費・財産分与について支払額別の集計表がある一方で、慰謝料の額を集計した表が収録されていないためです。

相場を根拠に交渉するなら、その数字が何に基づくのかを先に確かめておく必要があります。「相場より高い」と伝えても、根拠を聞かれて答えられなければ、その主張はそこで止まります。

司法統計に、慰謝料の額を集計した表はない

裁判所は毎年、司法統計年報を公表しています。家庭裁判所の事件を扱う家事編には、金銭の取り決めに関する集計表がいくつも並んでいます。夫から妻への養育費の支払額別、婚姻費用・生活費の支払額別、財産分与の支払額別といった具合です。

ところが、慰謝料の額を集計した表はありません。令和6年の司法統計年報 家事編を通して確認しても、支払額別に件数を数えているのは養育費・婚姻費用・財産分与に限られます(令和6年 司法統計年報 家事編)。

そもそも不貞相手への慰謝料請求は、家庭裁判所ではなく地方裁判所や簡易裁判所で扱う民事訴訟です。家事事件の統計に載らないのは当然ともいえます。ただ、その民事訴訟の側にも、不貞に絞って認容額を集計した公表資料は見当たりません。「相場」として広く流通している数字は、実務家の経験と、公表された裁判例の積み重ねから逆算された目安です。

判決の額・調停の額・示談の額・請求の額は別のもの

「相場」という一語には、性質の違う4つの数字が混ざっています。

  • 請求の額。請求する側が希望として書いた金額です。裁判所の判断を経ていません。
  • 示談の額。当事者が話し合いで合意した金額です。早期解決や接触禁止といった条件と引き換えに動きます。
  • 調停の額。裁判所の関与のもとで合意した金額です。合意である以上、判決の水準とは一致しません。
  • 判決の額。裁判所が認定した金額です。4つのなかで、裁判所の法的な評価を経た唯一の数字です。

ネット上で見かける「相場」は、この4つを区別せずに語られていることがあります。請求額の相場と判決額の相場では、水準がまったく違います。比べるときは、同じ性質の数字どうしで比べてください。

最高裁判例

不貞相手が慰謝料の義務を負うのは配偶者に対してであり、未成年の子に対しては原則として不法行為を構成しない

最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月30日判決/昭和51(オ)328 慰藉料/民集第33巻2号303頁/原審 東京高等裁判所 昭和49(ネ)1659/結果 その他(妻の請求は破棄差戻、子の請求は上告棄却)

何が争われたか

夫と肉体関係を持ち、のちに同棲するに至った女性に対し、妻と3人の子が慰謝料を求めた事案です。原審は、2人の関係が互いの対等な自然の愛情から生じたもので、女性が関係を強いたわけでもないとして、妻の請求を退けていました。子の請求についても判断が求められました。

裁判所の判断

最高裁は、夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意または過失がある限り、その配偶者を誘惑するなどして関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫または妻としての権利を侵害し、精神上の苦痛を慰謝すべき義務があると判示して、妻に関する部分を破棄し差し戻しました。一方、未成年の子については、害意をもって父親の監護等を積極的に阻止するなどの特段の事情がない限り、不法行為を構成しないとして、上告を棄却しています。参照法条は民法709条です(裁判例情報)。

この判例が意味すること

慰謝料が向けられているのは「夫または妻としての権利」の侵害です。金額は、その権利がどれだけ侵害されたかの評価であって、行為の悪質さに対する制裁ではありません。同時に、この判決は子からの請求に一線を引いています。請求書に子の分が積み上げられている場合、その部分は最高裁の判断と正面から向き合うことになります。

本記事で紹介する裁判例と統計は、当サイトが裁判所および法務省の公表資料から独自に収集・整理したものです。事件番号・裁判年月日・裁判所名・出典URLを併記しています。

執筆者 守屋葉子

守屋 葉子相談先選びの専門家

相談を受けていていちばん多いのは、「相場より高いと思うのですが」という一言で止まってしまうケースです。相手方に同じことを伝えても、「うちは離婚に至った事案です」と返されて終わります。数字を持ち出すなら、その数字が何の数字なのかまで言えるかどうかで、話の続き方が変わります。

金額を押し上げる事情と、押し下げる事情

結論不倫慰謝料の増減に働く事情は、壊れた関係の大きさに効くもの、行為そのものの重さに効くもの、支払う側の事情として考慮されるものの3つに分かれます。どの層に効く事情なのかを区別すると、主張の組み立てが整理できます。

増減額の要素を並べたリストはよく見かけます。ただ、並べただけでは交渉の材料になりません。同じ「考慮される事情」でも、効き方の筋道が違うためです。

壊れた関係の大きさに効く事情

慰謝料の対象が「夫または妻としての権利」の侵害である以上、その権利がどれだけ実質を持っていて、どれだけ壊れたかが第一の軸になります。

  • 婚姻期間の長さ。長く積み上げてきた関係ほど、失われたものが大きいと評価されます。
  • 未成年の子の有無。家庭の形が壊れたことによる影響の広がりとして考慮されます。
  • 夫婦関係のその後。離婚・別居・継続の別です。3つの層のなかで、金額への影響がいちばん大きいのはここです。
  • 不貞より前の夫婦関係。すでに冷え切っていた場合、壊れた関係の実質が小さかったと評価される余地があります。破綻していたと認められれば、そもそも支払義務が生じません。

行為そのものの重さに効く事情

次の軸は、不貞行為そのものの態様です。同じ結果でも、行為の継続性や積極性によって評価が変わります。

  • 不貞の期間と回数。一度きりの関係と、数年にわたる継続では扱いが違います。
  • 同棲の有無。生活を共にしていた事実は、行為の重さを大きく押し上げます。
  • 妊娠・出産に至ったか。結果の重大性として考慮されます。
  • どちらが主導したか。関係を積極的に求めたのが誰かは、双方の評価を分ける事情になります。
  • 発覚後の対応。関係を解消して謝罪したか、発覚後も関係を続けたか。とくに後者は押し上げる方向に強く働きます。

支払う側の事情として考慮されるもの

3つ目の軸は、支払う側の状況です。ここは損害の大きさそのものではなく、賠償の現実性に関わります。

資力が乏しいことは、金額を法的にゼロにする事情ではありません。ただし、交渉の場面では分割払いの条件や最終的な合意額に影響します。「払えない」という主張は、支払義務を否定する主張とは別のものです。この2つを混ぜて伝えると、どちらの主張も弱くなります。

請求額の内訳を分解する|上乗せされやすい3つの名目

結論請求額には、不貞行為そのものへの慰謝料以外の名目が上乗せされていることがあります。子の分、離婚に至ったことへの分、調査や弁護士にかかった費用の3つです。それぞれ法的な扱いが違うため、内訳を分けて確認する必要があります。

届いた金額を「相場と比べて高いか」だけで見ると、中身の違いを見落とします。総額が同じでも、何を根拠に積まれているかで反論の仕方が変わります。

「子どもが傷ついた」分

請求書に、配偶者本人だけでなく子の名前が並んでいることがあります。父親が家を出たことで子が愛情を注がれず、監護や教育を受けられなくなった、という理由づけです。

この点について、最高裁は判断を示しています。妻と3人の子が夫の不貞相手に慰謝料を求めた事案で、害意をもって父親の監護等を積極的に阻止するなどの特段の事情がない限り、不貞相手の行為は未成年の子に対する不法行為を構成しないと判示しました(最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月30日判決/昭和51(オ)328/民集第33巻2号303頁)。父親が子に愛情を注ぎ、監護・教育を行うことは、他の女性と同棲するかどうかにかかわりなく、父親自身の意思でできるからです。

なお、未成年の子がいるという事実が、配偶者に対する慰謝料の増額要素として考慮されることは別の話です。子が請求主体になれるかどうかと、子の存在が金額に影響するかどうかは、分けて考えてください。

「離婚することになった」分

「あなたのせいで離婚することになった」という理由で金額が上乗せされている場合、その部分は不貞行為そのものへの慰謝料とは別の請求です。不貞相手に対する離婚慰謝料の請求について、最高裁は、夫婦を離婚させることを意図して婚姻関係に不当な干渉をするなどの特段の事情がない限り認められないとの判断を示しています(最高裁判所第三小法廷 平成31年2月19日判決/平成29(受)1456/民集第73巻2号187頁)。

請求された立場でこの論点を扱う場合の詳しい進め方は、不倫慰謝料を請求されたらで、示談書の清算条項の読み方とあわせて解説しています。

調査費用や弁護士費用の転嫁

探偵に依頼した調査費用や、弁護士に支払った費用を、慰謝料に上乗せして請求されることがあります。これらは慰謝料そのものではなく、別個の損害としての主張です。

不法行為と相当因果関係のある範囲で認められる余地はありますが、支出した全額がそのまま通るとは限りません。金額の妥当性を検討するときは、慰謝料本体と費用分を分けて、それぞれの根拠資料を求めてください。

総額ではなく、内訳で見る

請求書に内訳が書かれていないことは珍しくありません。総額だけが示されている場合、「この金額の内訳を教えてください」と書面で確認するところから始められます。内訳が示されれば、どの部分が慰謝料本体で、どの部分が別名目なのかが分かれます。分かれた時点で、争う場所と争わない場所が決まります。

監修者 弁護士 松本理平

監修者|弁護士

松本 理平

青山北町法律事務所

弁護士としてのキャリア初期から男女トラブルの取り扱いを中心に、慰謝料請求・離婚事件の実務に携わる。本記事の法的な内容の正確性を監修している。

保有資格:弁護士/総務省 侵害情報調査専門員

実際に支払われている額|公的調査が示す実態

結論法務省の委託調査によると、離婚の際に慰謝料名目の支払いがあったのは12.4パーセントで、金銭のやり取り自体がなかった人が55.7パーセントを占めます。相場として語られる金額は、実際に支払われた金額の分布とは別の話として扱う必要があります。

相場の議論は「いくらが妥当か」に集中しがちですが、その手前に「そもそも支払われているのか」という問いがあります。この点には、公表された調査結果が存在します。

12.4%

慰謝料名目の支払いがあった

55.7%

金銭のやり取りがなかった

27.3%

弁護士が関与した協議離婚での慰謝料名目

19.6%

離婚原因に相手の異性関係を挙げた

法務省委託「財産分与を中心とした離婚に関する実態調査」(令和3年4月公表)の集計値。10年以内に離婚を経験した30代から60代の男女700名を対象としたウェブアンケート。

公的調査

離婚時に慰謝料名目の支払いがあったのは12.4パーセント。弁護士が関与した協議離婚では27.3パーセントに上がる

法務省委託「財産分与を中心とした離婚に関する実態調査」/令和3年4月公表/ウェブモニターアンケート/10年以内に離婚を経験した30代から60代の男女700名/調査期間 令和3年3月22日から23日

何を調べたものか

離婚の際に相手方との間で金銭のやり取りがあったか、あった場合はどの名目かを尋ねた調査です。財産分与の実態把握を目的として、法務省が委託して実施しました。回答者の離婚方法は、協議離婚(弁護士の関与なし)が76.6パーセントを占めます。

わかったこと

金銭のやり取りが「なかった」が55.7パーセントで最も多く、名目別では財産分与20.4パーセント、慰謝料12.4パーセント、解決金4.3パーセントと続きます。離婚の類型別に見ると、協議離婚で弁護士の関与がない場合は「支払がなかった」が60.4パーセントに上る一方、弁護士が関与した協議離婚では財産分与40.9パーセント・慰謝料27.3パーセントで、支払がなかったのは25.0パーセントにとどまりました(法務省 調査報告書)。

この数字の読み方

この調査が対象にしているのは離婚した夫婦の間でのやり取りであり、不貞相手への慰謝料請求とは母集団が違います。金額の相場としてそのまま当てはめることはできません。読み取れるのは、慰謝料という名目でお金が動く場面が想像より限られていることと、誰が手続に関与したかで結果の分布が明確に変わることです。

執筆者 守屋葉子

守屋 葉子相談先選びの専門家

この調査を読んでいて、いちばん目を引いたのが弁護士の関与あり・なしで分布がここまで変わるという点でした。金額の高い低いより前に、話し合いの土俵に乗っているかどうかが分かれている。相場の数字を調べる前に、いま自分がどちらの土俵にいるのかを確かめるほうが先だと思います。

自分の事案が幅のどこに位置するかを確かめる5つの手順

結論相場の幅を交渉に使うには、自分の事案がその幅のどこに位置するかを特定する作業が必要です。夫婦関係のその後、不貞の期間と回数、主導した側、請求額の内訳、裏づけとなる記録の5点を順に書き出すと、位置が言葉になります。

数字を調べただけでは、手元の金額が高いのか低いのかは決まりません。位置を特定する作業を挟んで、はじめて材料になります。

1

相手方夫婦のその後を確認する

離婚したのか、別居にとどまっているのか、関係が続いているのか。金額への影響がいちばん大きい事情です。請求書に「離婚することになった」と書かれている場合、その事実が本当かどうかを確認します。

2

不貞の期間と回数を時系列で書き出す

いつ始まり、いつ終わったのか。何回だったのか。同棲や妊娠といった事情があったのか。記憶ではなく、やりとりの日付をたどって並べます。

3

関係を主導したのがどちらかを整理する

誘ったのはどちらか、既婚であることをどう説明されたか。この点は、双方の評価を分ける事情になります。やりとりの記録に残っている発言を探してください。

4

請求額の内訳を分ける

慰謝料本体、子の分、離婚に至ったことへの分、調査費用や弁護士費用。内訳が示されていなければ、書面で確認を求めます。分かれた時点で、争う場所が絞られます。

5

主張を裏づける記録を突き合わせる

1から4で書き出した事情のうち、記録で裏づけられるものはどれか。裏づけのない主張は、交渉の場では事実として扱われません。ここまで揃えたうえで、相場の幅のどこに位置するかを言葉にします。

ここまでの作業は自分でも進められます。そのうえで、金額の妥当性を第三者の目で確かめたい場合や、相手方に代理人がついた場合は、専門家に見てもらう段階です。対面で相談できる窓口の探し方は、渋谷・表参道で不倫の相談をするならにまとめています。

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よくある質問

Q不倫の慰謝料の相場はいくらですか?

解説記事で共通して示されている目安は、相手方夫婦が離婚に至った事案で100万円から300万円程度、別居に至った事案で100万円から200万円程度、関係が継続した事案で50万円から150万円程度です。ただしこれは各法律事務所が公表する解説に基づく参考値で、公的な統計に裏づけられた数字ではありません。

Q相手の夫婦が離婚しなかった場合、慰謝料は下がりますか?

下がる方向に働きます。慰謝料の対象は夫または妻としての権利の侵害であり、婚姻共同生活がどこまで壊れたかで評価される損害の大きさが変わるためです。離婚に至った事案、別居にとどまった事案、関係が継続した事案の順で水準が下がります。

Q「子どもが傷ついた」として上乗せされた請求は認められますか?

子自身からの請求は、原則として認められません。最高裁は、害意をもって父親の監護等を積極的に阻止するなどの特段の事情がない限り、不貞相手の行為は未成年の子に対する不法行為を構成しないと判示しています(最高裁第二小法廷 昭和54年3月30日判決)。ただし未成年の子がいることが、配偶者への慰謝料の増額要素として考慮されることは別の話です。

Q相場より高い金額を請求されたら、どうすればいいですか?

まず請求額の内訳を書面で確認します。慰謝料本体と、子の分・離婚に至ったことへの分・調査費用などを分けたうえで、自分の事情が幅のどこに位置するかを記録とともに整理します。金額の妥当性を第三者に確かめたい場合の相談先としては、離婚・男女問題を取扱分野に掲げる青山北町法律事務所(表参道駅 徒歩3分)などがあります。同事務所は初回の電話相談を無料としています(完全予約制/受付8:00〜18:00・土日祝を除く)。

Q不倫慰謝料の相場を調べるとき、何を根拠にすればいいですか?

公表された裁判例と、出所が明示された解説を根拠にします。裁判所の司法統計年報には慰謝料の額を集計した表がないため、統計から相場を引くことはできません。数字を示している記事を読むときは、その数字が請求額なのか、示談額なのか、判決の認容額なのかを確認してください。

まとめ

結論不倫慰謝料の相場は、相手方夫婦が離婚に至ったかどうかで水準が変わります。広く示される数十万円から300万円程度という幅に公的な裏づけはないため、幅そのものではなく、自分の事案がその幅のどこに位置するかを記録とともに特定することが交渉の材料になります。

相場を調べる作業は、数字を見つけて終わりではありません。見つけた数字が何の数字なのかを確かめ、自分の事案をその中に置き直すところまでが一続きです。裁判所の統計に慰謝料の額の集計がない以上、この作業を代わりにやってくれる資料はありません。

請求額の内訳を分けることは、今日からでも始められます。慰謝料本体と、子の分、離婚に至ったことへの分、調査にかかった費用。内訳が分かれた時点で、争う場所と争わない場所が決まります。総額だけを見て高いか安いかを考えている限り、その判断はつきません。

金額の妥当性を第三者の目で確かめたいときの相談先としては、離婚・男女問題を取扱分野に掲げ、慰謝料請求と不倫調査(探偵業務)の双方に自所で対応する青山北町法律事務所(表参道駅 徒歩3分/03-6427-4550/初回の電話相談は無料・完全予約制/受付8:00〜18:00・土日祝を除く。同事務所の公式サイトの表示に基づく)のような窓口があります。

すでに請求書が届いていて、支払義務や減額の可否から検討したい方は、不倫慰謝料を請求されたらで、確認する順番と示談書の読み方を扱っています。誰にも言えないまま数字だけを見つめる時間を、判断の材料に変えるところから始めてください。

執筆者 守屋葉子

執筆|相談先選びの専門家

守屋 葉子

公正比較メディア監修者認定

誰にも相談しづらいトラブルについて、どこに相談し、どう選ぶかの判断基準を分野横断でまとめている。分野に依存しない判断基準「守屋メソッド」の考案者。

著書:守屋メソッドで選ぶ、言えないトラブルの相談先

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出典・参照した一次情報

情報の確認日:2026年7月29日|本文中の金額の目安は各法律事務所が公表する解説に基づく参考値です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的なご事情については弁護士にご相談ください。

更新履歴
2026年7月29日:記事を公開しました。